棚の隙間

自分の好きなものを綴っていきたいと思います。

今月のおすすめ本 7月号 『恐怖箱 怨霊不動産』加藤一編著 竹書房怪談文庫

 怖い話は大好きである。子供の時から妖怪だとか、幽霊話とか、兎に角そういったものが好きで、テレビで怖い話特集や心霊映像の特集を放送していれば必ず見ていた。私自身は一度だけ、不思議なものを見たがそれ以来は見ていない。見える体質でもないし、感じる体質でもない。怖いもの見たさみたいな感覚で見ているのかもしれない。

 怖いもの見たさでも、やはり実際に遭遇すると二度と遭遇したくないと思うものなのかもしれない。今回読んだ本は、実際にあった怪談話をまとめた本である。竹書房怪談文庫は、実話怪談ばかりを本にしているので、読んでいてとても楽しい。以下、公式サイトからのリンク。

kyofu.takeshobo.co.jp

 

 普段から感じない、見えない体質ではあるが、やはりどうしても避けられないことも世の中にはあるかもしれないと思う。一人暮らしを始めて、借りた部屋が曰く付きだったとか。そういう住んでみたら、奇妙な体験をした話がまとめられている。なんでもそうかもしれないが、やってみなければ分からないことが多いような気がする。それは、物件も同じで住んでみなければ分からないのかもしれない。実際、体験をした人たちはそこに住み始めてから不幸なことが起きた人もいた。不動産業者や家主も正直に何があったのか答えてくれないこともあるのかもしれないと思うと、個人的には幽霊や怪異よりも人間の方が怖い気がするが。

 家というのは、人によっては安息の場所にもなるだろうし、嫌な場所になるかもしれない。この本に出てくる霊たちは、きっと何か思い残すことがあったのかもしれないし、自分の家だから誰かが入ってくるのは嫌なだけかもしれない。家というのは、ただ住む場所なだけではなくて生活=人生が残っている場合もあるのかなと思う。何かの不幸があって結果的に事故物件になってしまったとしても、それまではその人の人生があったわけで、決してただ住んでいただけの場所ではないのかなと思う。不動産業者も、そこは敬意をもって貸したり、必要ならばお祓いをしたりすることも必要なのかなと思う。良く分からないものは怖いかもしれないが、それを好きと思ってしまう自分がいて、経験したくないとも思う自分もいる。そんなことも思った。