棚の隙間

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今月のおすすめ本 6月号 「セミ」 ショーン・タン著 岸本佐知子訳

今月のおすすめ本 6月号

セミ」ショーン・タン著 岸本佐知子訳 河出書房新社

 

 連続投稿すみません。お伝えした通り、今月から、毎月一冊ずつ私が読んだ本でおすすめの本を紹介していきたいと思います。感想を読んでからおすすめ本を読んでくださってもいいし、なるべく出版社さんのURLのリンクを貼っておくので、そこに行って本を読んでからブログを読む、あるいはブログは読まないというのも大丈夫です!楽しく、ダラダラやりたいと思います。よろしくお願いします。

蛇足ですが、しばらくしたらタイトルを変更しようかなと思います。このブログを読んでくださった方で、こんなタイトルいいんじゃない?などアイディアがある方おりましたら、コメントなどで教えて下さると有難いです。急に始めた企画ですので、タイトルが思いつかずセンスがない感じになってしまい、ちょっと困っています笑

 

 さて、私が今月おすすめする本は河出書房新社出版されている、ショーン・タン著、岸本佐知子訳の「セミです。

 タイトルを見ただけでは、可愛らしいお話と想像する人が多いと思いますが表紙とあらすじを見ていただければ、仄暗い雰囲気を感じることが出来るかと思います。以下は、河出書房新社さんHPのURLです。

www.kawade.co.jp

 絵本でそんなにページがあるわけではないのですが、この本を最初に読んだとき「うわー、痛いなぁ」と思いました。痛い、という表現を使ってしまいましたが、物理的な痛さではなくて、心に刺さるという意味です。

 セミが会社で働いている設定なのですが、どのページもきっとこの世界の誰かが体験していることなのかなと想像してしまい、苦しくなります。そして、セミの名前は終始明かされません。名前がないというのも、誰からも認識されないという感じがして心が痛みます。

 セミのことも気になりますが、私はセミに理不尽な扱いをするニンゲンも気になりました。勿論、セミに行った行為というのは許せることではないし、実際にはもっと酷いことが起きているのが現実だと思います。ただ、私はセミだけではなくて、ニンゲンにも、どちらにもなるのかなとも感じました。もしも、ニンゲンになってしまったら私はどうしたらいいのだろうか、と考えてしまいました。

 ラストは、ネタバレになるので書きませんが、ハッピーエンドなのか、バットエンドなのか解釈は様々かなと思います。初めて読む作家さんですが、衝撃的な本でした。過去作も気になるので、読んでみようと思います。

 長文、失礼しました。今月はこれにて失礼します。ブログを読んでくださって、ありがとうございました。本を知るきっかけになれば幸いです。