棚の隙間

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今月のおすすめ本 8月号 『火星にいった3人の宇宙飛行士』ウンベルト・エコー著 エウジェニオ・カルミ絵 海都洋子訳

 こんばんは、暑い日が続きますね。台風のシーズンとなりつつあり、これからまた大きな災害が起きてしまうのは嫌だなと思います。台風が海の上で消滅してくれたらいいなと思うこの頃です。

 さて、今日ご紹介するのはウンベルト・エコー著、エウジェニオ・カルミ絵、海都洋子訳の『火星にいった3人の宇宙飛行士』です。出版社のURLを掲載したかったのですが、サイトが開けなかったのでhontoという本の通販サイトから掲載したいと思います。以下、サイトです。

https://honto.jp/netstore/pd-book_27573511.html

 

 タイトルにもあるように、火星に行くことになった3人の宇宙飛行士の話です。この本とは、大学時代に出会いました。授業で先生がこの本を紹介してくれて、興味を持ちそのまま自分で買いました。本と言っても、絵本なのですが絵本らしくないです。絵本というと、可愛らしい絵を描いたものを想像するかもしれませんが、この絵本はラベルなどを組み合わせて、コラージュで表現しています。そう聞くと、少し尖った絵本かなと思うかもしれませんが、作者の優しい文体と物語、少し奇抜な絵が魅力的で絵だけ見ていても、文だけでも楽しいです。

 火星に行く宇宙飛行士たちは、話す言葉も、生まれた国も違います。最初はぎこちない3人でしたが、ある出来事をきっかけにして打ち解けあいます。そして、3人は宇宙人と出会うことになり・・・・というあらすじです。話の流れで結末は読めてしまうかもしれませんが、それでもいい本だと思える内容でした。

 私は、人間というか生き物というのは、すべて同じものはないと思っています。当たり前という人もいるかもしれませんが、生き物というのは無意識に線引きをしているのかなと思いました。例えば、考え方の違いとか、性別とか、人種とか。同じものはないと分かっていても、違いを攻撃してしまうのは誰にでもあると思います。誰かを傷付けてしまった経験も、誰の中にでもあると思います。そういう経験を踏まえると、この本の話はきれいごとに思えるのかもしれません。実際、私もそうでした。差別の問題を聞くと、この本はやっぱりきれいごとだったのかなと思ってしまうときもありました。でも、私はこの物語を否定することはできないです。何故ならば、人間の想像力は現実になることが多いと最近、思うようになったからです。今は、希望として現実になるという気持ちですが、時間はかかると思いますが、この本の出来事がフィクションではない日が来るかもしれないと思っています。子供でも、大人でも、楽しめる絵本であると思います。

 長文、失礼しました。今日はこの辺で失礼します。おやすみなさい。