棚の隙間

自分の好きなものを綴っていきたいと思います。

今月のおすすめ本 8月号 「図書館の大魔術師」泉光画

 こんにちは、連日暑い日が続きますね。7月は結局、おすすめ本を紹介出来ずに終わってしまいました。すみません。いつも通り、URLを載せておくのでご興味のある方はそちらを覗いてみてください。
 さて、今回ご紹介するのは漫画です。最新3巻まで発売されています。3巻を読み、改めていい作品だなと思ったのでご紹介することにしました。
 タイトルは「図書館の大魔術師」です。以下、公式サイトのURLです。

 

afternoon.kodansha.co.jp

 

 各巻の情報はこちらでも知ることが出来るようです。

 

kc.kodansha.co.jp

 

 主人公のシオは、本好きで、姉を思いやるとても優しい少年です。しかし、彼は他の人たちと違い、長い耳を持っていた為「耳長」と呼ばれ、差別されていました。

 この世界では本はとても高価なもので、村の人は図書館を使っています。シオは、姿が他の人たちが違うので、図書館を利用させて貰えないといった差別も受けています。そんな中、世界中の本が集まる都「アフツァック」から司書がやってきます。司書は、この世界では「カフナ」と呼ばれています。カフナは、アフツァックにある中央図書館に勤め、本を守る仕事をしている人で、みんなの憧れの存在です。シオは、あるカフナとの出会いを通じて「カフナ」を目指すことになります。

 私がこの漫画を読んで感じたことは、「あー、それ凄くよくわかる」ということです。勿論、繊細に書き込まれた絵も魅力的であるのですが、主人公や他の登場人物が感じること、思うことが共感できる場面が多かったです。私自身も本好きであるせいか、彼らの言葉に胸を打たれることが何度もありました。作中、私が感動した言葉を引用したいと思います。

本にはね

あらゆる者の一生を大きく動かす力がある

それはとてつもない力だ

だから司書はこの力をすべての人に届ける義務があるし

すべての人はこの力を受け取る権利がある

本が読みたい

その言葉が嬉しくて私の心は震えているんだ———

 この言葉は1巻で、主人公が容姿を理由に図書館で本を借りることが出来ないと悟ったカフナがシオに言った言葉です。本を読めば読解力が身につくとか、人の気持ちが分かるとかそういうことが言われていることもありますが、私はこの引用された最後の方、「本が読みたい」。それが私が本を読む理由なんだなと気づきました。確かに、本には人の一生を変えることもあると思います、いい意味でも悪い意味でも。でも、私は人が本を読む理由って「ただ読みたいから」なのかなと思います。そして、その「読みたい」という気持ちは、誰でも自然に持っている感情で、本という力を受け取る権利が誰にでも開かれている。そういったことが「本を読む」という魅力なのかなと思います。

 また、もう一つ魅力的だなと思ったのが人との関係です。シオはこの辛い環境から抜け出したくて、物語の主人公のような存在が自分を救ってくれるのではないかと期待していました。でも、カフナは主人公は自分だという言葉をシオに贈ります。シオはその言葉を胸に自分で歩いていくことを決意します。カフナとシオが本を通して、出会い、シオを勇気づけた。本だけではなくて、本を通して人間を描いている所もこの本の魅力だと思います。

 

 最後に、この本には原作があるようで。読んでみたいと思い、探しましたが見つかりませんでした。もしかしたら、今後そういった謎も明かされていくのかもしれません。

伏線や、ストーリー、そして絵。すべてが魅力的な作品なのでご興味のある方は読んでみてください。

 

 長々失礼しました、今日はこれにて失礼します。暑い日が続くので、お体に気を付けてください。