棚の隙間

自分の好きなものを綴っていきたいと思います。

今月のおすすめ本 6月号 『きみを嫌いな奴はクズだよ』木下龍也著

 こんばんは。ジメジメとした暑い季節がやってきましたね。気象のせいか、体調を崩してしまって、中々本が読めないこの頃で困っています。

 さて、今日ご紹介する本は、木下龍也著『きみを嫌いな奴はクズだよ』です。以下、リンクです。

www.kankanbou.com

 タイトルも衝撃的でしたが、内容も中々刺激的でした。現代歌人シリーズということで、短歌が収められた本になります。詩は読むことはありますが、短歌は学校で少しだけ読んだというくらいで、それ以降は読んだことがありませんでした。短歌というと、百人一首のイメージがあり難しそうだと感じていたのかもしれません。でも、現代歌人ということでそういったことは一切なく、読みやすかったです。同時に、作者の発想が好きだなと思いました。甘酸っぱい感情や、ひやりとするような感情を作者の独特な感性で描いているのが良かったです。皮肉っぽいのに、笑ってしまったりして、授業でこういうのを教えてくれたらもっと面白かったのにな、と個人的には感じました。百人一首などのやや堅めの短歌もいいですが、思わず笑ってしまったり、その気持ち、凄く分かる。この感性面白いって、思えるような作品も教科書に載せてみるのもいいのかなと思います。

 個人的に私が好きだなと思った短歌をご紹介します。

旧作に収録された新作の予告も既に旧作の夜

 

あとがきにぼくを嫌いな奴はクズだよと書き足すイエス・キリスト

 他にも沢山いい歌があるのですが、この二首を挙げました。一番最初の短歌は、考えたこともなくて、読んでみて確かに旧作だと頷いてしまいました。二番目の短歌は、思わず笑ってしまいました。確かに、書き足していそうだなと笑。

 短歌や俳句は、詩に比べて制約が多いものだと思っていました。使える字数は決まっているし、季語を入れたりしなくてはいけないものだと思っていました。正直、短歌と俳句の違いも良く分かっていません。でも、この本に出会って自由でいいのだと思いました。日常の考えたことのない刺激や、自分の思いを伝える。私も短歌を作ってみたいと思いました。この本を読んで、私のように短歌を作りたい、読みたいと思ってくれた人がいれば幸いです。

 長文、失礼しました。では、今日はこの辺で。おやすみなさい。

 P.S.「今月のおすすめ本」を始めて一年になりました。ブログを見て下さった方々、本当にありがとうございます。これからも、おすすめ本を紹介して、皆さんが読んでみたいと思うブログを書けたらいいなと思います。よろしくお願いします。